『生 命四部作 第三幕』柳美里 新潮文庫
『声 命四部作 第四幕』柳美里 新潮文庫


『指紋捜査官』堀ノ内雅一 角川文庫
昭和のはじめまだ鑑識による捜査が力を持たなかった時代の話があり、興味深い。そのなかで指紋に魅せられた塚本宇兵が指紋をもとに事件を解決してゆく。人に聞く(自白優先)捜査からものにきく(物証優先)捜査への移行の中で葛藤しながら指紋捜査の最前線にいた体験談は、現在の物証優先捜査のあり方を議論する声のあるなか示唆的であろう。といっても堅い話ではなく、とても楽しめる本である。